2011/06/26

《2》18世紀、江戸

江戸。
下町の長屋の大家さんは、長屋のオーナーではなく雇われ管理人だった。
大家さんの重要な仕事は、長屋の厠(かわや)=便所を清潔に保つことだった。
大家さんは発酵した米のとぎ汁を口に含み、便所にプーッ!と吹き込んだ。
これで厠の悪臭はゼロ。百万都市江戸が世界一清潔だったのは乳酸菌のお陰だ。

江戸。
長屋の大家さんが発酵した米のとぎ汁を吹き込んだ長屋の便所(ポットン式)は
発酵して悪臭がなかった。
この長屋の便所の屎尿(しにょう)は、関東一円に肥料として販売されていた。
この江戸の屎尿が散布された関東平野には豊かな土壌ができた。
これが「関東黒ボク層」。世界一の人造土壌だ。

江戸。
十八世紀。人口百万強の江戸は世界一の人口を誇った。
当時巴里は30万弱、倫敦は10万弱だった。巴里では糞尿は道路に棄てられた。
悪臭!婦人は汚れないようにクリノリン・スカートにハイヒールで街を歩いた。
江戸の発酵した屎尿は貴重な肥料なので値段がついた。
なにより江戸は無臭だった。

江戸。
長屋の大家さんは、便所の屎尿を良く発酵させて高く売って自分の収入(ほまち)を増やした。
そのために米のとぎ汁を丁寧に発酵させた。
同時に大家さんは店子をとっても大事にしていた。
こうして面倒見の良い日本人の原型は江戸時代にできた。日本人って凄いね!

米のとぎ汁は杉の桶に入れて五日間、
これを盆栽にかけ、鉢の下から流れ出る水を口に含み厠に吹き込む慣習は
大正までは残っていて、文献や落語の枕詞にもありました。
江戸の清潔さには、毛唐も驚嘆! この文献も多数あります。

日本人はもう一度、江戸時代の日本人のような精神に戻り、
当時世界からお手本とされていたような国をめざすべきだと思います。
もう一度初心にもどって。

人口百万余の巨大都市・江戸は、廃棄物,特に屎尿の処理が巧みだった。
発生場所で乳酸発酵処理された屎尿は関東平野全域に運ばれた。
飯山一郎の郷里・栃木(下野國)にも、
利根川→鬼怒川と屎尿を積んだ「ヘキリ船」が登ってきた。
こうして江戸百万人の屎尿は、関東平野を豊かな農耕地に変えた。

江戸百万人の屎尿は、米のとぎ汁で乳酸発酵処理されて関東全域に散布された。
これにより関東平野の農地(関東ローム層)は、
有機物、微生物、ミネラルを大量に含む黒々とした土壌に変わった。
この豊かな土壌生産力(=農業生産力)が、江戸、そして東京を大発展させたのである。

江戸百万市民の屎尿は、米のとぎ汁で乳酸発酵処理され、関東全域の農地に投入された。
その期間は何と!二百数十年に渡る。いかに関東平野が豊穣な地域だったか!
関東平野は、人類史上最も豊かな人造農地なのだ。
この豊かさ、強靭な地力は、まだ失われてはいない。
それは強力な微生物群が健在だからだ!

関東全域に存在する「関東黒ボク」。これは江戸時代につくられた人工土壌だ。
NPK等肥料分,ミネラル等の栄養分、豊かな土壌微生物群。まだ地力はたっぷりある。
特に微生物群の豊かさは世界一だ。この微生物群は放射能を喜んで摂取する。
人間には致命的でも、微生物はエネルギー源にして活用する。

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目には見えない恐怖が、首都圏にも降り積もっている。
でも、まだまだ、希望は残ってるって信じています。
それぞれが出来る事を…。これが、本人の底力。