日本人に、好きな映画ベスト10をあげてというと
かなりな人がこの映画を入れてくると思う。
1994年アメリカ作品
映画の原題は『The Shawshank Redemption(ショーシャンクの贖い)』
原作はスティーブン・キング
『Different Seasons』の中の『刑務所のリタ・ヘイワース』
(Rita Hayworth and Shawshank Redemption (Hope Springs Eternal))
ちなみに『Different Seasons』の4つの物語の中には、
『スタンド・バイ・ミー』(The Body (Fall From Innocence))もある。
真面目で堅物だが有能な銀行員(副頭取)のアンディは、
妻とその愛人を殺害したという罪でショーシャンク刑務所に服役する。
外界から遮断された異質なその世界で、
理不尽に降りかかるさまざまな出来事。
理不尽に降りかかるさまざまな出来事。
常に『静』をまとい諦観しているようなアンディ。
運命に抗う事もなく、
心を閉ざしたまま淡々と過ごしているように見える。
10代で殺人罪で投獄され、
既に何10年も服役している調達屋のレッドは
既に何10年も服役している調達屋のレッドは
この不思議な男・アンディに次第に興味を覚え、関わっていく。
物語は、このレッドを語り部として回想のように語られていく。
同性愛の囚人からの暴行、
看守たちの横暴、所長の横領犯罪、
看守たちの横暴、所長の横領犯罪、
狭い世界で愚かしい権力をふるう人間達の闇の部分に触れながらも、
アンディは、常に静かに自分を保ち続ける。
そして、
アンディは自分の持つ知識や知恵を使って、
極端に限られた世界での、ささやかな『自由』を味わう。
レッドに調達してもらった10数センチの小さなロックハンマーで
刑務所の庭から拾った石を細工してチェスの駒を作ったり、
節税相談に乗って、
看守から囚人達にビールをふるまわさせたり
看守から囚人達にビールをふるまわさせたり
何年もかけ何百通も要望書を送り続けて、
図書館の本購入の予算を得たり
囚人達に本を通じて学問を学ばせ、
教育によって人生の希望の光を与える。
教育によって人生の希望の光を与える。
しかし、
貪欲に私腹を肥やす為にアンディを必要とする所長は
貪欲に私腹を肥やす為にアンディを必要とする所長は
アンディの問われた罪が、実は冤罪であった事の証拠となる
若い囚人を、脱獄阻止に見せかけて射殺させる。
若い囚人を、脱獄阻止に見せかけて射殺させる。
アンディが成長を見守っていた若い命、
それは自分の無実の証明でもあった。
それは自分の無実の証明でもあった。
それらを一瞬にして奪われ、
アンディの中に長い間静かに、
でも消えることなく揺れていた自由への小さな希望の灯が
次第にハッキリとした炎に変わっていく。
アンディの牢獄の壁に貼られた、女優リタ・ヘイワースのポスター。
それはレッドがアンディに頼まれて調達したものだった。
刑務所で過ごす長い年月の間に、それはマリリン・モンローに変わり
ラクエル・ウェルチに変わっていく。
しかし、そこには変わることなく、そして誰にも知られることなく
アンディの中に灯され続けた『希望』の光への道が 隠されていた。
19年もの長い時をかけて、わずか10数センチの小さなロックハンマーで
秘かに掘り続けられていた刑務所の壁…
そこから続く長く暗い下水管の中を這いながら、自由へと向かうアンディ。
所長が横領した金銭を2重帳簿で管理し、
架空名義で送金貯蓄していたアンディは
架空名義で送金貯蓄していたアンディは
その架空名義人の身分証明書も偽造し、
さらには所長の悪行のすべてを証拠と共に新聞社に送っていた。
さらには所長の悪行のすべてを証拠と共に新聞社に送っていた。
脱獄したアンディは架空の人物として、その預金をすべて引き出し、
新しい人生を始める場所『ジワタネホ』を目指す。
新しい人生を始める場所『ジワタネホ』を目指す。
所長は自らの悪事(横領・囚人への虐待・殺人)が露見した事を知り
近づく警察のサイレンを聞きながら拳銃で自殺した。
レッドは、アンディが忽然と消える前に彼からある場所について聞いていた。
それは、アンディが妻にプロポーズした場所。
もし、レッドが釈放される日が来たら、その場所にいって欲しいと。
そこには、
ある場所への道しるべと、お金が入った缶が埋められていた…
…長いお話、ざざっとまとめるとこんな感じなんだけど
本当は、レッドの仮釈放の話とか、図書係のブルックスの話とか
沢山の伏線と共にいろんなエピソードがある。
原作とは違うラストシーン、これが『映画の力』なんだな~と思う。
この明るい色の海と空が、ショーシャンクの暗い息苦しさと対比され
勝ち得た自由の素晴らしさと明るい未来を予感させてくれる。
http://www.youtube.com/watch?v=zRBl0GPBm4o&feature=related
この映画はもう本当に、見て頂くのが一番良い。
見た事のある人も、もし何か辛い時にはまた見て欲しい。
私なんかでは、こんなへっぽこなまとめ方しかできなくて
この素晴らしい映画の魅力をちゃんと伝えられない。
何回見ても深く感じる事があると思う。
映画公開から18年が過ぎ、その間に重ねた年齢や経験によって
また少しずつ視点も変わっているかも知れないと思う。
権力者の理不尽に対しての憤りや、その理不尽へのアンディの対処に
自分なり感慨や共感、そしてたまに不満もある。
それにしても19年!なんという長さ。(原作では27年だけど)
無実の罪で奪われたこの時間は、もう決して取り戻せない。
けれど、それもまた人生の現実として受け止めるしかないのだ。
そして、そこから見出せる希望を抱いて、
自分に出来る事を積み重ねていけたら… きっと新しい未来が待っている。
理不尽な運命に翻弄されないために必要なもの
それは自分を見失わず、
その時その時にできる事を淡々とやり続ける事。
何かと闘っていると思う時、それはほとんど自分の弱さとだ。
敵は他人ではなく、自分自身の中の未熟さや無防備さ。
だから、必ず克服できる道は見つかる。
他人を変えるなんて事は絶対に出来ない。
でも、自分は幾らでも変わっていける。成長できる。
アンディの言葉に勇気をもらう
Red, hope is a good thing, maybe the best of things.
And no good thing ever dies.
(レッド、希望は素晴らしいものだ。多分、最も素晴らしいものだ。
そして、素晴らしいものは決してなくならない。) ********************************
レッドの言葉にも、深いものがある。
「後悔しています。釈放されたらきっと真面目な人間になります」
と言い続け、仮釈放審査を落されてきたレッド。
アンディが脱獄した後の、仮釈放審査の時の彼の言葉。
I look back on the way I was then, a young, stupid kid who committed that terrible crime.
I want to talk to him. I want to try and talk some sense to him, tell him the way things are.
But I can't. That kid's long gone and this old man is all that's left.
I got to live with that. Rehabilitated? It's just a bullshit word.
So you go on and stamp your form, sorry, and stop wasting my time.
Because to tell you the truth, I don't give a shit.
たった1日だって後悔しない日はないさ。
恐ろしい犯罪を犯した若僧、俺は奴と話をしたい。
それは愚かなことなんだと。
でも、それはできない。
でも、それはできない。
その若僧はもういない。残っているのはこの老いぼれ男だけだ。
俺はそれを受け入れたよ。
後悔しているかって?そんなの作られた言葉だ。
もう用紙にスタンプを押してくれないか。
悪いが時間の無駄なんだ。
別にどっちだっていいんだよ。
別にどっちだっていいんだよ。
かつてアンディに、レッドはこう言っていた。
Hope is a dangerous thing. Drive a man insane.
It's got no place here.Better get used to the idea.
希望なんてのは危険なものだ。
人間を狂わせてしまう。
刑務所に希望なんてものはありゃしないのさ。
そのレッドが、ラストシーンでこうつぶやく。
I hope I can make it across the border.
I hope to see my friend, and shake his hand.
I hope the Pacific is as blue as it has been in my dreams.
I hope.
国境を越えられたらいいがな。
友達に会えたら、そして握手できたらいいがな。
太平洋が夢で見たように青ければいいがな。
俺は望む…。
**************************
Hope is a good thing, maybe the best of things.
And no good thing ever dies.
(希望は素晴らしいものだ。多分、最も素晴らしいものだ。
『ショーシャンクの空に』は、昔から本当に大好きな映画で
まだご覧になった事が無い方がいらっしゃったら
是非観て頂きたいと思える作品の一つです。
受け取る思いが深くなっているような気がします。
あらすじネタバレで申し訳ないですが
ストーリーを知っていても充分楽しめる名作ですし
何回見ても感動できると思います。
とにかく見て頂くのが一番だと思います。
コメントを頂いて、本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。