2012/03/13

ネットのリスク

ネットによって広がった人間関係は、
匿名性が高い分自由ではあるが、ある程度リスクも伴う。

個人個人の信条や価値観が違えば、物事の受け止め方も違うし
ほんのちょっとした行き違いから大きな溝が生れる事もある。

また、意図的にそうした『行き違い』を引き起こそうとする人も
たまに見かける。

目的はそれぞれあるのだろうが・・・

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書き込み、しかも誹謗中傷・批判書き込みを
ツイッター等の手軽なものではなく、

ネットの掲示板等に書き込むという行為の裏には、
それなりの思い入れや強い気持ち、感情、動機が存在する。

例えば、
熱意・悪意・または何らかの目的を達成する為、
など。


一般的なユーザーは
インターネットの掲示板等へ
極端に批判的な書き込みをほとんどしない。

閲覧している複数の人間が
著しく違和感を覚えるような展開には

必ず何かしらの執着や目的を持った
個人または複数人による書き込みがある。

そして、

ターゲット以外の人間も巻き込んでの
手の込んだ工作・作業が行われる。

観客(閲覧者)を味方につける事で、
目的を達成し易くする。

操作される側の人間は、
往々にしてそれに気がつかず、

自分の意志のように思わされて
工作人の意のままに動く。

人は、
直接自分に影響がないものを
実感することは難しい。

自分への影響を考えることが出来なければ、
行動にも移せない。


でも、ある程度の知識があれば、
万が一、事が起こった時にも比較的冷静に対応できる。


仕掛ける側の人間が、意図的に行おうとする『操作』には
いくつかの種類(パターン)があるので、

その種類と特徴の知識があれば、
簡単には操作されない。


○印象操作
例えば、ある情報について、
閲覧者の印象や受け止め方を
巧みな文章を用いて操作する。


○情報操作
例えば、ある情報について、
閲覧者に、事実とは異なる偽りの情報を
巧みな文章を用いて伝達する。


○意識誘導
例えば、ある問題について議論している時、
巧みな文章を用いて、問題転換を図り、
別の話題・事柄に流れを持っていく。


○感情操作
例えば、巧みな文章を用いて、
閲覧者に怒りやショック、精神的な圧力をかける。


※これ、いずれの場合も「巧みな文章」が必要(笑)
 

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恫喝や罵詈雑言に影響されず、

改竄や捏造による操作に騙されないためには

ある程度、自分で検証する事も必要。


また、

その人にどれほど社会的影響力や信用があろうと

その発言すべてを鵜呑みにせず、
ひとつひとつを丁寧に吟味し判断する。

この手間を惜しむと
自分で考え判断する事が難しくなる。


どんなスゴイ人が言おうと、

自分の意見は自分のもの。

YesはYes、NoはNoなのだ。

自分が攻撃されることを危惧して、
場の空気に飲み込まれたら後悔する。

分からない事は分からないと言い、
従えない事には従わない。

納得いかないままに迎合して
自分の身を守るくらいなら、

分かり合えない人間とは距離を取るのが、
取りあえず正しい対処だと信じている。

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独裁者は、往々にして

最初は解放者として登場する。


「みな平等で自由であるべきだ!」
と言った人間が


主導権を握った途端に
自分への批判を一切許さないなんて良くある話。


人に向けて言った言葉を
自分が守れてない人間には
大体同じような事をやってきた過去がある。


その都度 犠牲者が生れていたりする。



なにしろ、本当にスゴイ人なら、
嘘やハッタリや脅しや裏工作などしなくても

人を納得させるだけの根拠を持って
解決できるはずだ。


味方を動員して数に頼んで

包囲網をはらなくても

正しければ

たった一人ででも主張すればいいのだ。



ケンカできる人間がすごいのではない。


ケンカに持ち込まなくても済ませる方が

よっぽどスゴイ。




いつも被害者や加害者を設定しなければ成立しないような『正義』なんて

胡散臭くて…コワイ(笑)

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どんな人からも学べる事はある。

どんな出来事からも教訓は得られる。

でも、できる事なら 不愉快な思いはしたくない…


ネットで繋がった人間関係は、
当たり前だけど『顔の見えない関わり』

ある程度の知識を持って、
冷静に対処できるようにして臨んだ方がいい。



人間の顔は、一つではない。

偏った情報を信じ込んで、
妄想や疑心暗鬼の果てに
その主張を正当化するために

周囲を巻き込んで

嘘を平気ででっち上げて
非難・攻撃する人もいる。



残念なことだけどね。

お気の毒だけれど、
言っても聞かない人には
言わなくなるのが普通の人間だ。

上手に距離を取れないと、自分か人を傷つける。


常識の基準や価値観が違いすぎる人とは

適度な距離を保つか、


関わらない方が無難なのだ。


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今回、とある事情から
サイバーポリスというものについて初めて知った。

専門家による法的対応も可能であると教わった。
ネット関連の名誉棄損や誹謗中傷については
昔とは違って法的にも結構フレキシブルに対応してくれる。

ネット上であっても、匿名性があっても、
当事者間以外の不特定多数の閲覧者の前で
誹謗中傷したり、個人情報を無断で公表したりすると
それなりに・・・まあ、それなりに対応してくれる。

とにかく証拠が大切だそうで、
場合によっては複数の被害者がいれば集団訴訟も可能だそうで。

被害届が受理されれば、そのサイトの運営会社や管理会社へ
ダイレクトに連絡が入って対処してくれるそうだ。

発言の内容についての事実関係や経緯云々はまた別の問題で
誹謗中傷による名誉棄損の事実が明らかになれば良いそうだ。

だから、証拠としては加工可能な『テキスト文書』ではなく
『画像保存』が必要だとかで。。。

つまり、相手方がサイトを管理している場合は、
証拠隠滅や内容改竄される前に、一気に画像保存するのが先決。

…だそうです。

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(教えてもらった事を幾つか書いておきます)


掲示板への中傷の書き込みは、国の法律に反します。
書き手は「犯罪者」です。

■■■法の適用範囲■■■

■罪名
書き込みの内容により罪名が変わります。
それらをまとめて「不法行為」と呼ぶこともあります。
刑法230条名誉毀損罪(刑事)
刑法231条侮辱罪(刑事)
民法711条による、損害賠償請求(民事)

■時効
不法行為の消滅時効は、
不法行為の損害および相手(加害者)を知ったときから3年、
不法行為のときから20年です。 
不法行為の損害および相手(加害者)を知らなければ、
3年の消滅時効にはかかりませんが、
不法行為の損害および相手(加害者)を知らなくても、
不法行為の ときから20年で、消滅時効にかかります。
どちらかの期間がたてば、消滅時効が完成します。(民法724条)

■被害者の定義
かつて中傷誹謗は本名などの実在個人情報に限られました。
けれど現在の法解釈では、イニシャルや固定ハンドルも、
個人を特定するものとして、処罰されます。

■内容
「頭おかしい」「悪徳」「腐っている」などの罵倒語だけでなく、
「多重」「電波」「DQM」などのゲーム用語や2ちゃんねる用語も有罪です。 
内容が事実であっても、不法行為です。
その個人やキャラクターの社会的信用を損なう内容かどうか、が争点です。
中傷文のコピーペースト、中傷目的のリンクなど、
書き手のオリジナルでない文章も、有罪です。
「氏ね」などは、場合により脅迫罪、
二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金です。
実際に殺す気がなくても、読み手が恐怖を感じれば、有罪です。
 
■賠償金額
損害賠償や慰謝料は、程度にもよりますが一般論では、
1件につき上限100万円といわれます。
実際に取れるのは20万から60万程度が主流ですが、
たった1件の中傷から数百万も取れた事例もあります。
被害の度合いと弁護士の腕によります。
被害者全員が集団訴訟を起こせば、
弁護士費用は一人前ですが、取れる賠償金は被害者の人数分です。
 
■用意する物
告訴も訴訟も、用意するものは一緒です。

* 対象となる掲示板サイトの名前、URL
* 誹謗中傷されている掲示板の掲示板名や内容
* 誹謗中傷されている掲示板の誹謗中傷に当たると考える書込の、
 書込番号やURL及び書込内容
 (大阪府警HPより)

中傷の証拠は、パソコンのスクリーンショットでよいそうです。
テキストデータは簡単に改ざんできますので証拠になりません。
スクリーンショットも改ざん可能ですが、
中傷加害者が改ざんだと主張するなら、
加害者側が、改ざんした証拠を提出しなければなりません。
ほぼ不可能でしょう。
長すぎるスレッドは、弁護士も刑事も、読むのが大変です。
どこが中傷かが分りやすいよう、証拠の他、
解説つきダイジェストも作ると親切です。

警視庁のハイテク犯罪対策総合センターでは、
寄せられる相談のうち23.7%が、名誉毀損と中傷誹謗に関するものです。
多数の案件を処理したベテランです。

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いや~、なんだか物騒なお話になってしまいました。
こういったものとは縁のないところで
穏やかに生活していきたいですね。