2020/04/01

必要なものは、体力と、人より1時間長持ちする勇気

昔々に気に入って読んだコミックスに『七つの黄金郷(エルドラド)』というのがある。

作者は『エースをねらえ!』(以下、エース)で一世を風靡した山本鈴美香さん。
エースは、アニメにもなり、実写化もされたけれど
ホントの良さというか、真価を受け取りたいなら、やはりコミックスだと思う。
エースの原作コミックスはきちんと完結され、
少女マンガの中で一つの金字塔となっている。(あくまでも個人的意見)

その後、作者がちょっとスピリチュアルな方向に行ってしまわれたためか、
残念ながら『七つの黄金郷(エルドラド)』(以下、エルド)は未完のまま。

この先、何らかの奇跡が起こって完結までいったとしても、
多分、それはもう、私の中のエルドとは違うモノかも知れない。

そのエルドには、エースと同じく
珠玉の台詞がきら星のごとくちりばめられていて、うん十年経った今も
折に触れ思い出すものは少なくない。










当時の、まだまだ素直で、なかなかに純粋だった私には、
ストライクに心に突き刺さったんだなと・・・
ちょっと素直でなくなって、なかなかに純粋さが低減した今、そう思う。

その中の一つ、主人公の男女の双子達(エルとオーリ)が、
さらわれた母親を探し出し奪還する旅に出たが、
結果虚しく、スタートである場所へ戻って出直すという展開になった場面。

悲嘆に暮れ涙する双子たちに向かい、
共に行動していた、育ての親のような存在の海の勇者キャプテン・ドレークが問う。
「海の勇者に必要なものは何でした?いってごらんなさい」

泣きながら答える双子たち
「・・・体力と」「人より1時間長持ちする勇気・・・」










このセリフが、何故か時々思い出される。
大抵は、何か辛いこととか、これはキツイなあ・・・と思うような場面。
自分の力が及ばずに、精一杯の頑張りでもどうにもならないような状況。

それでも、ここで挫けるのは違うと、
心のあちこちを掘り起こして、元気の種を見つけようとしてもがく。
そういう時。

あと、ほんの少しだけ、踏ん張ってみようと思うんだな、きっと。

この気持ちも長くは持たないかも知れない、
でも、今ここで立ち向かう勇気を、あと1時間だけ・・・って。

『勇者に必要なものは、体力と、人より1時間長持ちする勇気』

私は勇者じゃないけれど(多分、魔物使いか、遊び人)、
それでも、何か大事な目的のためには、持っていたいものだと思ってる。

絶対に倒れない者には、ちょっとなれそうもない。
最後に倒れる者なら、もしかしたら何とかなるかも知れない。

それも難しいなら、せめて、ちょっとでも後に倒れる者になれるといいな
1時間だけでも・・・

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4月1日だからって、嘘じゃないぞ!