大和田潔さんという神経内科医の先生が
SANKEI EXPRESSに 『青信号で今週も』という
コラム記事を書いていらっしゃるのですが
その中の幾つかが私には面白かったのでかなり乱暴にまとめてご紹介(笑)
・走ることと脳 (2011.09.26)
・記憶力を支える運動 (2011.10.10)
・運動とセロトニン (2011.10.17)
(以下が、ブログ記事の概要です)
8月8日に産業技術総合研究所の
幹細胞制御研究チームの桑原知子研究員が、
筑波大学人間総合科学研究科の征矢(そや)英昭教授らと共同で
という漠然とした社会的な感覚に一つの答えを出す研究結果。
人間の脳は生まれた赤ん坊のころが神経細胞が最も多く、
人間の脳は生まれた赤ん坊のころが神経細胞が最も多く、
その後は、ネットワークは発達するものの、
神経細胞の数は減る一方であると信じられていた。
脳は傷ついても、皮膚や筋肉のように再生することはなく、
壊れていく一方であるというもの。
ところが、観察方法の進化に伴い、
ところが、観察方法の進化に伴い、
脳にも“幹細胞”と呼ばれる自力で増殖して、
さまざまな細胞に変化する力を有する細胞の存在が明らかに。
幹細胞は増殖し、神経細胞に分化して、
ダメージを受けた脳を修復しているというもの。
脳に記憶をつかさどる海馬(かいば)にも幹細胞が存在し、
脳に記憶をつかさどる海馬(かいば)にも幹細胞が存在し、
新しい神経細胞を供給していることが知られるようになった。
この神経細胞の供給量は年齢や病気とともに減少していく。
かつて、
かつて、
脳の細胞は生まれたときが一番数が多く、
年をとるにつれて減る一方と考えられていた。
脳の神経細胞はさまざまな種類があり、
生まれたときには、神経細胞は分化してしまっており、
その数も決まってしまっているという考え方。
機能や形が分化した細胞は、分裂して数を増やすことができないため。
機能や形が分化した細胞は、分裂して数を増やすことができないため。
ところが、「幹(かん)細胞」という
さまざまな形に変化することができるおおもとの細胞が、
人間のいろいろな臓器に存在することが知られるように。
しかも、幹細胞というのは分裂して増えていくことができる。
脳にも神経幹細胞という、
脳の機能を支える神経細胞になる潜在能力をもつ幹細胞が発見された。
特に、海馬の神経幹細胞にスポットライトが当てられた。
幹細胞が「活(い)き活き」としていれば、
次から次へと幹細胞が分裂しては、
神経細胞に成長して分化して供給され、
記憶能力の衰えが少ないと予想される。
人間の老化と「認知症」、つまり、「記憶力の低下」は
切っても切り離せない関係にあるが、
神経幹細胞が活発になる方法について、研究が進んでいる。
脳の機能は
主となる神経細胞と、神経幹細胞を支える細胞で支えられているが、
神経幹細胞を支える細胞が作る、
Wnt3(ウィントスリー)というタンパク質に注目。
老齢のネズミの脳では、Wnt3が若いネズミより激減 していた。
老齢のネズミの脳では、Wnt3が若いネズミより激減 していた。
つまり、年をとると、神経幹細胞を支えるWnt3が減ってしまうため、
神経幹細胞の「活き」が悪くなり、新たな神経細胞の供給が減り、
老齢ネズミの記憶障害をきたしていると予想された。
ところが、ネズミがストレスにならない程度の運動をすると、
ところが、ネズミがストレスにならない程度の運動をすると、
Wnt3の量が増加し神経幹細胞の「活き」が回復し、
神経細胞が潤沢に供給されるようになり、記憶障害が軽くなることが観察された。
つまり、
運動することが記憶力を回復させた。
適度な運動は、脳のセロトニンという物質を介して
ストレスに対する抵抗性を増すことが報告されている。
セロトニンは、
セロトニンは、
からだのさまざまな所で働いている物質。
血液の中にも存在し、
血液の中にも存在し、
血管に働くと血管収縮に働いたり、
心臓に働くと心拍数が上昇したりする。
ヒトの脳にはセロトニンシステムと呼ばれる、
「やる気」などの情動をつかさどるシステムがある。
だから、
だから、
適度な運動によって、脳のセロトニンシステムが活性化されれば、
ストレスに強い脳を作られるというわけ。
運動といっても、バーベルを上げると言った高度な負荷をかける必要はない。
運動といっても、バーベルを上げると言った高度な負荷をかける必要はない。
脳のセロトニンシステムは、
「反復」と「リズム」によって活性化されるといわれている。
「反復」と「リズム」によって活性化されるといわれている。
反復は繰り返しの動作、リズムは同じタイミングで動作を行うこと。
運動の強度とは
比例しないといわれている。
ウオーキングやジョギング、ハイキングなど
ウオーキングやジョギング、ハイキングなど
無理のない速度で歩いたり走ったりすることは、
足を繰り返し動かす反復運動を
リズミカルに行うことにつながる。
目に入る光の量が脳のセロトニン量と関係することは有名。
日照時間が短くなると、うつになる人が増えるところから発見された。
光線療法といって、人工的に顔面に光を当てて、
うつの予防を図っている国もある。
定期的に外でウオーキングをすることは、
目に入る光量を確保することにもなるので、一石二鳥。
と、いうわけで、習慣的な適度な運動は
身体だけでなく脳にも良いと言う事のようです。
長々と引用した割にはあっさりとした結論ですが(笑)
専門家のお医者様にこんな風に説明されると
「なるほど~」と素直にうなずいてしまいます。
私は母が認知症で、結構切ない思いをしていますが
こういう記事を見つけてると、僅かでも希望の灯を見た気がします。
絶望は愚か者の結論…ってか、どんな時にも、絶望は勿体ないですよねぇ
出来る事は何でもやってみて損はない、やってみてから、また考えれば良い(笑)