2021/10/05

「相手の立場になって考えましょう」は、想像力の領域展開

■幼稚園や、小学校の低学年の頃・・・

大抵の子ども達が言われているはずの言葉。
「相手の立場になって考えましょう」

言われた頃が遠い遠い過去になってしまって
そこから幾星霜を過ごし、

そこそこの分別も身についた(はずの)今、
改めて、この言葉を考えてみる。


■「相手の立場になって考えてみましょう」

実はこれは、
子どもにとってどころか、大人にだって、
なかなかに高度な技術を必要とするのではないか。

だって、
誰にだってそう言う記憶があると思うけど、
自分の気持ちにだけ素直なお年頃のお子達だ。

次から次へ自然に湧いてくる欲求・欲望、

  • あれが欲しい、
  • これがしたい、
  • それを食べたい、
  • あそこに行きたい、

このシンプルな思いに抗えないお子達には、
「自分自身を客観視すること」すら難しいはず。

いわんや、
自分以外の人の気持ちになって考えるなんて
正直、「え、なに、それ?」なんじゃなかろうか。


■大人だって、そうなんじゃないか?

別の人物になりきる必要のあるお仕事の方達、
俳優さんだったり、
ある種の(主に夜間の)接客業だったり、

または、
問題解決のために、
相手をしっかりと理解する必要のある
カウンセリングやコンサルティングのような
相談のお仕事に携わる方々、

あるいは、
医療従事者や関係者、介護やケアなどに携わる方々、

もしくは、
何らかの『憑依』を受け入れ可能な能力を有し、
それをお仕事とするような特殊な生業の方々とか

そういう皆さんには、
「相手の立場になって考える」事は、
必要不可欠な能力で、
そう言ったことにも慣れているかも知れない。


■でも、一般的には、

どんなに想像力を駆使したとしても、
そこそこ主観的な思い込みやバイアスが残るのは
どうしたって否めない。

だって、
もともと 別の人間、違う人格なんだもん。

だから、
「相手の立場になって考えましょう」というのは、

想像できる範囲で、
自分にとっても相手にとっても
よりよい結果に結びつきそうな言動をしましょう。

・・・ということなんだろう。

そういうことを幼いお子達に理解してもらうのは
本当に難しいことだと思う。


■でも、それができると・・・

そう言うスキルを身につけると、
ものすごく、生きるのが楽になっていくはず。

だから、お子達には

「ちょっとだけ、〇〇ちゃんの気持ちになって考えてみようか」
「もし、あなたが〇〇ちゃんだったとしたら、どんな風に思うかな?」

・・・これくらいが丁度よいと思える。

いや、大人にだって これは当てはまるよね。

相手の気持ちを理解しようとする気持ちが、
ほんの少しでもあれば、
そして、あればあるほど、

自分の中の苛立ち、怒り、不快感、不安感、
ネガティブな感情が薄れ、
心が軽くなっていくと思う。


■影響されやすくなれ、と言うのではなく

自分は自分として、シッカリと自我があってよい。

そうでなければ、
本当の意味で「相手の立場になって考える」ことも難しい。

考えなしに相手に迎合してばかりでも、
その先、お互いに得るものの質も
決して高くはなさそうだしね。

まあ、人によっては
どうしたって理解不可能な
奇妙な世界観や価値観の人もいる。

そういうのは、
とりあえず上手に距離を取るしかない。

でも、それは自分の経験不足などで、
理解度が及んでないせいかも知れないし、

あまりにも異なる価値観に対して、
恐怖や嫌悪や拒絶は
大なり小なり誰にでもあるはず。

それでも、
人間としての最低限のモラルをクリアしつつ、
自分の許容量が拡大し、

揺るがない「自分」と言うものができてくれば
大抵の他人に対して、
その気持ちを慮ることは可能になる・・・はず。


■年齢・性別・国籍・職業・経歴・性癖 etc.

どのようなスペックの相手に対しても
「相手の立場になって考えてみる」
という経験を重ねて、

そのような「相手になれる」スキルを持てば、
そこから、色々と面白い展開が始まりそうな気がする。

取りあえず、
家族の中の誰かになってみて考えてみよう。
どんなことでも構わない(笑)

  • 今日の晩ご飯は何を食べたいか
  • 今、何が一番欲しいか
  • 私に対して、何を望んでいるのか
  • 今年のおうちハロウィーンの仮装は何がしたいか
  • 私に対して、恐くて面と向かって言えない一言は何か

(あれ?考えたくない事もあったな、いま)


■想像力を領域展開!

まるで、子どもの頃の
『ごっこ遊び』のように楽しいじゃないか!

そして、可能なら、
後から本人に答え合わせをしてみても、また楽しい。

誰だって、
自分のことを真剣に考えてくれるのは
そんなにイヤじゃないはずさ。


さて、今年の「おうちハロウィーン」は何しよう?