2012/03/15

『0からの始まり 』



「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」
桜の花、毎年同じように咲くけれど、その花は毎年毎年別の花。
変化の速度や性質はそれぞれあっても、時と共に変わらないものなどない。

生きていればいろんな事が起こるもの
たまには、それがどっと押し寄せる事もある。
外界からの刺激に反応して、自分の内側にも変化が起こるが
この反応・変化をストレスと言う。

「ストレス」という言葉にはあまり良いイメージが無いけど
本来は外界からの刺激(変化)に適応する為の心と体の準備、
つまりは防衛反応なわけで、適度であれば悪いものではない。

でも、過度のストレスは心にも体にも非常によろしくない。
ストレスを感知した脳は、視床下部から不安を誘発するホルモンを放出。
これを受けて、脳下垂体前葉は副腎皮質刺激ホルモンを出して
全身に伝え、それが副腎に届くとコルチゾールが分泌される。
コルチゾールは天然のステロイドで、
このホルモンの影響下に置かれると体は様々な反応を示す…らしい。
心拍が上がり、筋肉による血流が増え、脳の働きが活発になる。
血流の速度を上げるため、血管が収縮、足が冷たくなる。
膵臓からグルカゴンが分泌され、インスリンの分泌を抑制
グルカゴンが肝臓グリコーゲンの動員を促進し血糖濃度が上昇する。
よーするに、ドキドキしたり、手足が冷たくなったり、
食欲が落ちたり、胃が痛くなったり、血圧が異常になったり
頭痛・便秘・下痢・不眠・イライラ…
さらに、記憶を司る『海馬』にも悪影響を及ぼし
記憶が飛んだり、暗算ができなくなったりするらしい。
こんな状態が体に良い訳もなく、
免疫力・自然治癒能力もガクンと落ちていくわけだ。
でも、理知的な思考活動を司る大脳皮質が「よっしゃあ!」と
頑張ってくれて、様々な情報が整理されて混乱が収まれば、
不安が徐々に解消され、ストレスから開放されていく。
とりあえず、ストレスの原因となるものから一旦遠ざかり
心身の機能を落ち着かせて、冷静に事態と状況を分析
効率的・効果的な対処方法を見つけ出して実行すること。



要は、冷静な自分を取り戻すと言うことが大切なんだね。
それには先ず、気分転換して落ち着くこと
体の疲れを取って、気持ちを楽にして心を安めること。

睡眠・休養・入浴・食事・運動・読書・
余計な事は考えず、日常生活をほわあ~んと楽しんでみるのも
いいんじゃないかと思う。
言葉、画像、映像、音楽、香り、感触、癒しのもとはいっぱいある。
美しいものに触れていると、
内側から心地良いもので満たされていく。

そして、ストレスの原因自体も
放っておけば時間が解決してくれる事もある。
ものごとは常に変化して動いているのだから。

ストレスの原因が自分ではどうしようもない場所にあるなら
それはもう、そのままにしておいて、取りあえず心から切り離す。

特に、原因が人間関係の場合は対処のしようがない事が多い。
思い込みと誤解は、ぶつかり合って解くのが難しい。
お互いがお互いを正しいと思っているなら、どっちも譲るわけがない。
だから、甲斐のない不毛な時間で消耗するよりも
「世の中にはこういう事もあるのかも」と割り切ってしまうのが良い場合もある。
どうしても割り切れないなら、
専門家に相談してみるのも一つの手かも知れないけど…
どっちにしても、解決のために自分ができる事をやってしまったら
後は、自分の手を離れて回っていくから、もうする事は何も無い。
でも、ちょっとしんどかったと思う気持ちの欠片が残っているなら
癒しの時間を作って、元の自分に緩やかに戻していけばいい。

「セレンディピティ」ってこともあるしね、
人生ってのは、けっこう面白くできているものらしい。

困難に耐える、困難を克服してゆくという生命力、精神力があって初めて発達する。
困難、困難というけれども、人間は困難と取り組むと面白い。(安岡正篤)

あきらめるな、絶対に絶対に絶対に絶対に。(ウィンストン・チャーチル)